写真レポート:7月17日の柏崎刈羽原発

■写真レポート:7月17日の柏崎刈羽原発

地震の直後に原発で,火災がおきたり,使用済み燃料貯蔵プールの冷却用水の水位が低下したり,施設内でもれた放射能が海や空にまで漏れ出したり,しかも,燃料棒の破損がおきている可能性もあるというのです.原発の耐震性がまったくのフィクション(虚構)であることが,この新潟県中越沖地震でおきている事実によってはっきりと示されました.

地震発生の翌日(7月17日),社会民主党の現地調査(福島瑞穂党首,近藤正道参議院議員ら)に便乗し柏崎刈羽原発を視察してきました.武本和幸さん(原子力資料情報室理事,刈羽村在住)も同行しました.武本さん宅も「屋根がやられた.とても大丈夫とはいえない」状態だったにもかかわらず,「女川,志賀と地震に襲われた.そして今回の地震がおきたことは自然からの最後の警告と思えてしょうがない」,と調査団の案内をかってでてくださったのです.

東京電力は7月17日(18日に訂正版発表)に原発所内でおきている50件のトラブルについて,プラント状況報告としてごく簡単に発表しています.ここでは,7月17日に現地に行って見たことを写真をつかってお伝えします.

原発の敷地内はちょっとみわたすだけで,道路や駐車場のアスファルトには数えきれないくらいの亀裂,地盤の隆起・陥没によって波打つ道路,液状化の跡,手すりの落下,土捨て場の土砂崩れ,のり面の地割れなどがつぎつぎにみつかるようなありさまです.

写真撮影の制限があって絵で紹介できないのが残念ですが,液体の放射能が漏れた6号炉内部では,入口付近の天井の化粧板の一部が崩れたり,原子炉建屋地下1階の通路に置いてあるスチール製の物品棚が大きく歪み,棚においてあったと思われる乾電池などが散乱していたりという様子はいろんな場所で見受けられました.

6号炉の中3階の階段からさほど離れていない床面に水漏れ処置の跡がありました.上方にあるダクトから漏れ出ていたと説明がありました.床にビニールテープで張られた「規制線」と敷き詰められた薄茶色の紙ウエスがちょっとわざとらしくうつりました.完全に処置しないのは何故なのか,わかりませんでした.放射能水漏れがみつかったすぐそばにはロッカーのような形をした制御棒駆動装置の制御盤がたくさん並んでいました.

■落下している手すり.正面は3号炉.(写真)


■火災で燃えた3号炉の所内変圧器.(写真)


■説明を受ける社民党調査団.路肩がおおきく崩れている.(写真)


■2号炉(左)と3号炉のあいだの道路が波打っている.(写真)


■所内変圧器わきにある消火栓.ここにも道路などのうねりがみえる.(写真)


■2号炉の放射線管理区域の1つへの出入り口.隆起? 陥没?(写真)


■路肩の崩れ.奥に見えるのが手前側1?4号炉と向こう側7?5号炉とのあいだにある土捨て場.向こう側の斜面が崩落している.(写真)


■柏崎市役所入口ロビーにある放射線モニタのテレメータシステム.午後になっても東京電力からの計測値が入ってきていない.(写真)


■2号炉の玄関付近.道路が陥没している.(写真)

(報告:上澤千尋)


リーフレット『地震大国に原発はごめんだ』 PDF
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