柏崎刈羽7号炉が地震の揺れによるタービン異常で緊急停止!

2004年11月4日午前8時57分にマグニチュード5.2の余震が発生した.震源は,中越地震本震の北約20キロメートルで,震源の深さは約18キロメートル.越路町,三島町で震度5強の揺れが起きた.

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気象庁・新潟県中越地震のページ:
( www.jma.go.jp/JMA_HP/jma/niigata.html
www.seisvol.kishou.go.jp/eq/2004_10_23_niigata/houdou.html )
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刈羽村で震度5弱,柏崎市で震度4(K-netでは114ガル以上)を観測した.

この地震で,東京電力の柏崎刈羽7号炉がタービンの異常を起こし,原子炉が自動停止した.地震の揺れによりタービンの軸ずれが基準値を超えて,タービンが停止し,原子炉の運転に急ブレーキがかかったものだ.今回の地震によって,ついに原発の機器の大きな異常が起きた.

東京電力は,運転中の原発や停止した7号炉に「直接プラントの運転にかかわるような設備被害はない」といっているが,それは7号炉が止まったことに対する不十分で不誠実な対応だ.運転中に点検できる場所は非常に限られているうえに,何か異常が起きなければそれとわからない場合も多い.

配管や燃料に異常は起きていないか,サポートや基礎部分はどうか,非常用電源は機能するのか・・・.

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東京電力・柏崎刈羽原発プレス発表(7号炉停止ほか):
www.tepco.co.jp/kk-np/nuclear/press/press-j.html 
www.tepco.co.jp/cc/press/04110404-j.html 

保安院の発表:
www.meti.go.jp/press/0005778/ 
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10月31日に,2号炉での定例試験中に原子炉隔離時冷却系用のタービンの回転数が上がらず,手動停止するトラブルが起きている.11月2日の東京電力の発表によると,「タービン速度検出器」内部の断線が生じていたという.このため回転速度の制御が不能になっていた.このトラブルも地震の影響で発生した可能性がある.また,原子炉隔離時冷却系が機能しなかった可能性があり,重大なトラブルだ.

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東京電力・柏崎刈羽原発プレス発表(2号炉の隔離時冷却系の異常):
www.tepco.co.jp/kk-np/nuclear/pdf/16103101.pdf 
www.tepco.co.jp/kk-np/nuclear/pdf/16110202.pdf 
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いま,柏崎刈羽原発の運転を続ける必要性・必然性は全くない.

東京電力は,運転中の柏崎刈羽原発1・2・3・5・6号炉をすぐに止めて緊急点検を行ない,停止させたまま動かすべきでない.次に起こるかもしれない災害を最小限にすべく備えるべきだ.

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(参考)柏崎刈羽原発5号炉での地震の揺れ(10月23日の本震)の観測値など:
5号炉基礎マット上:南北27ガル,東西54ガル,上下57ガル
敷地内の地表:南北79ガル,東西132ガル,上下60ガル
www.tepco.co.jp/kk-np/index-j.html 
www.tepco.co.jp/kk-np/16110203.pdf 
www.tepco.co.jp/kk-np/q_a/index-j.html 
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