『老朽化する原発 ― 技術を問う―』 再版のお知らせ

『老朽化する原発 ― 技術を問う―』再版のお知らせ

在庫切れとなっおりました『老朽化する原発』が再版(三刷)されました。

『老朽化する原発 ― 技術を問う―』
原発老朽化問題研究会 著
原子力資料情報室 発行
B5版124ページ
価格 1,000円
※正会員・賛助会員価格800円(いずれも送料別)

初版 2005年3月31日
二刷 2007年9月30日
三刷 2011年5月

老朽化を「高経年化」と言い換えて、国は40年を60年へと原発を延命させるために「維持基準」を作りました。その動きに対応すべく原子力資料情報室は、原子力工学、物理学、金属材料学、土木工学や法律の専門家からなる「原発老朽化問題研究会」を2003年に発足させました。その最初の成果をこの冊子に結実させることができました。折から進行中の原子力政策大綱審議委員に配布され、推進側からの評価を得ましたし、それを裏付けるように、行政や電力やメーカーからの複数部の注文も何件かありました。記述内容が難しいとのご批判を受けながらも、類書が無いこともあって売れ足は止まらず、版切れという”嬉しい誤算”になりました。中越沖地震の発生や浜岡原発裁判の結審をひかえ、社会的要請に応えるべく二刷に踏み切りました。多くの方が手にとってお読みいただき、脱原発の活動に役立てていただきたいと願っています。

【もくじ】
はじめに――いま、なぜ原発老朽化問題なのか

1 老朽化すすむ原発(上澤千尋)
§1.1 原発の老朽化
§1.2 蒸気発生器の損傷と交換
§1.3 再生熱交換器連絡管の高サイクル熱疲労割れ
§1.4 余熱除去系配管の水素爆発
§1.5 制御棒駆動装置案内管スタブチューブのひび割れ
§1.6 炉心シュラウドのひび割れ
§1.7 再循環系配管のひび割れ
§1.8 原子炉上ぶた損傷と交換
◇デビスベッセ原発
◇大飯3号炉
§1.9 PWRの原子炉本体にかかわる損傷
◇高浜1号炉
◇サウステキサス1号炉
◇伊方1号炉
§1.10加圧器逃し弁配管用ノズルのひび割れ
§1.11配管の減肉問題
◇PWRのエロージョン・コロージョンによる減肉
◇BWRのエロージョンに寄る減肉
§1.12規制当局や電力会社・メーカーの動き
§1.13″維持基準”とは

2 原子炉材料の劣化(井野博満)
§2.1 原発にはどういう材料が使われているか
◇主な材料は炭素鋼・低合金鋼とステンレス鋼・ニッケル合金
◇どこに何が使われているか
§2.2 材料はどう劣化するか
◇材料の劣化原因
◇金属疲労
◇腐食
◇放射線損傷
§2.3 再循環系配管とシュラウドのひび割れは大丈夫か
◇ひび割れ隠しに至る経過
◇新しいひび割れの原因は?
◇応力腐食割れ(SCC)進展線図の問題点
◇超音波検査の信頼性
§2.4 圧力容器の照射脆化
◇照射脆化予測式の問題点
◇日本の原発の脆化状況

3 高経年化対策という虚構(田中三彦)
◇「原発であって原発でない」原発
◇「高経年化対策」という名の原発60年酷使作戦
◇その前に、まずUCCとは何か
◇国も電力会社も長い間UCC問題を知らなかった?
◇高経年化技術報告書とUCC
◇かなぐり捨てられた「一貫性」
◇原発には個性がある

4 設計技術からみた維持基準の意味(柴田宏行)
◇設計ということ
◇構造設計とはなにか
◇ものの様々な壊れ方
◇破壊力学の功罪
◇原子力プラントの検査――建前と現実のギャップ
◇欠陥だらけの原子力プラント
◇安全性の考え方と大事故のリスク

5 近代技術の性格と事故(湯浅欽史)
◇複雑な実物を単純なモデルに
◇安全率でカバーする
◇安全率とコストミニマム
◇二つのモデル
◇技術にとっての立場の違い
◇再現性と事故
◇原子力には適用し難い
◇コストミニマムと立場性

6 老朽化問題?現地から見ると(武本和幸)
◇柏崎刈羽原発現地の動き
◇定期点検での過酷な被曝実態
◇低い検査精度
◇中越地震と柏崎刈羽原発

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