米インディアンポイント原発・使用済み燃料プールでひび割れ漏水

米インディアンポイント原発・使用済み燃料プールでひび割れ漏水

※『原子力資料情報室通信』377号(2005/11/1)短信より

参考・NRCの特集
www.nrc.gov/reactors/plant-specific-items/indian-point-issues.html

 米ニューヨーク州ブキャナンにあるインディアンポイント原発2号炉(加圧水型炉、97.5万kW)の使用済み燃料貯蔵プールから水漏れが起きているのが見つかっていた問題で、米原子力規制委員会(NRC)は9月20日、特別検査チームを派遣すると発表した。

 インディアンポイント2号炉では、2006年末から運用することをめざして建設している乾式貯蔵施設の建設工事が行なわれている。使用済み燃料移送用クレーンを設置のために、貯蔵プール建屋の周囲で地面の掘削作業を行なっていたところ、8月の末に建屋の南側コンクリート外壁にひび割れが起き、水が染み出しているのが見つかったため、9月1日にNRCに報告していた。2号炉の貯蔵プールには漏えい検知装置が設置されていない。漏れ出た水からはセシウム、コバルトなどの放射性物質やホウ素が検出されており、使用済み燃料プールから漏えいが起きていることが確認された。周辺の土壌からも汚染が見つかっている。水漏れの量は1日あたり1~2リットル程度と推定されている。

 9月12日には、別のひび割れ箇所からの水漏れも見つかっている。10月5日には2号炉の変電施設に設けられた観測用たて坑から1立方センチあたり約8ベクレルのトリチウムが検出されている。このたて坑はすでに閉鎖された1号炉の貯蔵プールからも150メートル以内の位置にあるため、どこからの漏えいの影響によるものか特定されていない。

 1号炉の貯蔵プールからも約10年間、漏水が起きていることがわかっている。同原発を所有するエンタージー社によると、1日あたりの漏えい量は約100リットルであったが、9月半ばから1号炉の西貯蔵プールで使用済み燃料のクリーニング作業を開始しているため、プール外に設置されている排水システムへの排水量は1日あたり約190リットルに増えているという。

 また、10月19日には同3号炉(加圧水型炉、100.5万kW)のタービン建屋の内外でも1立方センチあたり約0.06ベクレルのトリチウムが検出されたことが報告された。

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