伊方2号炉・安全注入系配管にひび割れ
伊方2号炉・安全注入系配管にひび割れ
※『原子力資料情報室通信』377号(2005/11/1)短信より
9月5日から定期検査を行なっている四国電力の伊方2号炉(加圧水型、56.6万kW)で、格納容器スプレイポンプAの入口配管でひび割れが起きているのが見つかった。同炉では2004年5月20日に、ステンレス製の余熱除去系配管に塩化物の付着が発生原因とみられる応力腐食割れが起きているのが見つかっていたため、今定期検査中に、ステンレス製の緊急炉心冷却系配管の液体浸透探傷検査を行なっていた。ひび割れが見つかった格納容器スプレイ系は、冷却材喪失事故などが起きたときに燃料取り替え用水タンクの水を原子炉格納容器内に散布する系統で、外径約30センチ、厚さ約1センチのステンレス製の配管の溶接金属部分である。漏えいは起きていなかったが、ひび割れは長さ約10ミリあった。
四国電力は10月5日のプレスリリースで、調査のためにひび割れ部を1ミリほど研削・研磨したところ、ひび割れが無くなった、と発表している。
今回の定期検査中に伊方2号炉では、制御棒4本の増設、炉内構造物の交換、1・2号炉共用ホウ酸濃縮液タンク接続工事、ニッケル基合金配管溶接部の応力腐食割れ対策工事(原子炉冷却材出口配管管台のクラッディング溶着工事、原子炉冷却材入口管台、炉内計装管台、安全注入系管台のレーザーピーニング工事)を行なっている。