原子力安全・保安院および日本原燃㈱に対し、六ヶ所再処理工場のアクティブ試験を中止し、被ばく事故の徹底した原因究明と情報公開を求める
原子力安全・保安院および日本原燃㈱に対し、六ヶ所再処理工場のアクティブ試験を中止し、被ばく事故の徹底した原因究明と情報公開を求める
2006年6月27日
原子力資料情報室
6月24日に六ヶ所再処理工場で再び被ばく事故が発生した。
cnic.jp/396
最初の5月に起こった被ばく事故
cnic.jp/376
の詳細な内容も原因も対策もあいまいなまま、再びほぼ同じところで被ばく事故が発生した。日本原燃のお座なりな対策と安全意識の欠如の結果である。スケジュールを急ぐ余り、徹底した原因究明や十分な対策のないままに運転を続けることは、さらに重大な事故を準備するようなものである。
日本原燃はアクティブ試験の中止し、徹底した原因究明とこの情報公開をすべきである。あわせて、説明責任を果たし地元合意が得られないままに運転再開することのないように要請する。
報道によれば今回、分析建屋で被ばくした下請け作業員は19歳であるが、このような若者を特に内部被ばくの恐れのある場所で作業をさせることは労働者保護の観点から避けるのが当然であろう。
被ばくは退室時のハンドフットモニターで検出され、その後の鼻のスミヤテストで確認されたとするが、これは床やその他の場所の汚染をも示唆しており、また、床の汚染も報じられている。床の汚染の発生原因と汚染状況についての詳細な調査とこの公表は欠かせない。
今回の被ばく事故は、5月20日の被ばくが起きたと同じ分析建屋でおき、工程としては次の工程という。前回の事故では当該箇所での暫定的なマスクの着用を事故対策として指示したようであるが、今回の場所での着用は不要であるとしていた。前回の事故の充分な状況把握、原因究明と対策が取られていなかった結果として、今回の事故があったのではないかと強く推察される。さらに当室に届いた内部告発は、以前にも数回汚染が確認されていたことを指摘していた。
cnic.jp/389
cnic.jp/394
これまでの汚染事故をすべて公表することを求める。
しかも内部告発では、半面マスクの着用について「着用を日本原燃に対し、促していたようだがマニュアルに記載されていないということで、着用は見送られていた」と、現場の声がフィードバックされないシステム上の問題を指摘している。このような体質が2回目の事故を招いたと言える。日本原燃職員ならびに下請け作業員に対する被ばく管理・安全管理のあり方について第三者機関を交えて徹底的に議論し、この内容を公開するべきである。
日本原燃の度重なる事故にたいする監督官庁の責任は重大である。原子力安全・保安院は日本原燃にアクティブ試験の中止と徹底した原因究明を行なわせるべきである。