資料 日本のプルトニウム在庫データ(2022年末)

『原子力資料情報室通信』第591号(2023/9/1)より

 22 年末のプルトニウム管理データは表記方法を大きく変えた。従来は、施設ごと工程ごとに細かく表記されていた。大量のプルトニウム保有量への疑念を払拭するために、透明性をもって対応した結果だった。しかし今回は、日本原燃と日本原子力研究開発機構、常陽ともんじゅを合わせている上に、工程も区分合わせて表記するように大きく変更した。原子力委員会では、ロシアのウクライナ侵攻を受けて、核物質防護を強化した結果だという。会議では原子力委員全員が賛成していた。今はほとんど動きがないが、仮に、六ヶ所再処理工場が竣工し、あるいは、プルサーマルが各原発で進んでいくことになれば、不透明感がいっそう高まるだろう。22 年は高浜 4号炉で 629kg のプルトニウムが消費された。一方、関西電力は631kg のプルトニウムをMOX 燃料として輸入した。関西電力によれば、11月22日に高浜3号炉用としてMOX 燃料16体をフランスから輸入した。これに相当するプルトニウム量だ。

※(四捨五入の関係で合計が合わない場合がある)

(伴 英幸)

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