柏崎刈羽原発が地震で自動停止、変圧器火災も

■柏崎刈羽原発が地震で自動停止、変圧器火災も

7月16日午前10時13分に発生した地震(2007年新潟県中越沖地震、マグニチュード6.8、震源深さ17キロメートル)による影響で、東京電力・柏崎刈羽原発のうち、運転中の3・4・7号炉と調整運転中の2号炉の原子炉が自動停止した。1・5・6号炉は定期検査中のため停止していた。

K-netによると、この地震による地上部の最大加速度振幅は812.7ガル(柏崎市)となっている。柏崎刈羽原発でどのような値が観測されているのかはいまのところあきらかになっていない。(→東京電力は設計時の値(S1:300ガル、S2:450ガル)を超える680ガルを観測したと発表した。→気象庁の発表第3報によると柏崎市西山町池浦で最大加速度1018.9ガルを観測した。)

原子炉停止後に作業員らがみまわりをしていたところ、3号炉の所内変圧器で火災がおきているのがみつかった。所内変圧器は、所内でつかう電気を供給するための施設で、原発の運転時には発電所内の発電機から、停止時ないし起動時には外部から電気を受けとるしくみになっている。所内変圧器が破損し、中に入っていた絶縁油が漏れ出したところに、なんらかの原因で発火したものとみられる。鎮火するまで1時間半もかかっているのが気掛かりだ。

変圧器類は耐震設計上の区分としては一般産業施設なみのCクラスに分類されている。しかしその機能としては非常に重要で、もし変圧器がすべて焼失・故障などで発電所内に電気が供給されなければ、原子炉内の燃料棒の冷却に支障をきたすおそれがある。

その後の情報としては、1・2号炉で使用済み燃料プールの水位が低くなっている、というものもあり、今後の点検・調査次第で、機器や設備のあらたな損傷などがでてくる可能性がある。

■柏崎刈羽原子力発電所の地震による原子炉停止設定値(保安規定より)

水平方向120ガル(基礎床)
鉛直方向100ガル(基礎床)

水平方向185ガル(地上2-3階床)

■新潟県上中越沖で発生した地震の影響について(午後1時現在)
平成19年7月16日 東京電力株式会社
www.tepco.co.jp/cc/press/07071601-j.html
www.tepco.co.jp/cc/press/07071602-j.html

■気象庁
2007年7月16日10時13分ころ新潟県上中越沖で発生した地震について
www.jma.go.jp/jma/press/0707/16a/20070716.html

■K-net
(2007/07/16) 新潟県中越沖の地震の強震動
www.kyoshin.bosai.go.jp/k-net/news/20070716101300/

■東京大学地震研究所
平成19年新潟県中越沖地震 特集ページ
www.eri.u-tokyo.ac.jp/Jhome.html


リーフレット『地震大国に原発はごめんだ』 PDF
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