原子力資料情報室声明 高浜運転期間延長審査のパブリックコメントを求める
高浜運転期間延長審査のパブリックコメントを求める
2016年6月16日
NPO法人 原子力資料情報室
報道によれば、原子力規制委員会は近く高浜原発1、2号機に係る運転期間申請の審査を終了するという。その際、審査結果についてのパブリックコメントは求めないとも伝えられている。7月7日という期限が迫っていることからも、パブリックコメント募集の時間は考慮されていないと推察できる。
それでよいのだろうか。どのような審査結果となるのかは明らかでないが、申請内容については、原子炉容器の中性子照射脆化やケーブル・機器の劣化、難燃性の不備等々、さまざまな問題が指摘されている。原子力規制委員会の審査のみでよいとするわけにはいかないはずである。
確かに、行政手続法に定めるパブリックコメントの対象文書ではない。しかし原子力規制委員会では、これまでも「任意」とはいえ、多くの文書について意見を聞いてきた。すでに慣習法として、審査結果等のパブリックコメントは定着している。
しかも、運転期間延長の審査は初めてのことであり、前例は存在しない。そもそも形式的な審査では、結果が出せないものなのである。にもかかわらずパブリックコメントを行なわないとすれば、原子力規制委員会の変質を疑わざるをえない。政治的な配慮を排し、安全規制に徹すると言うなら、原子力規制委員会は、高浜原発1、2号機に係る運転期間申請の審査について、その言に恥じない審査を行なうことはもちろん、審査結果の案について広くパブリックコメントを求めるべきである。
以上