【Japan PuPo 2017】 2月23、24日 国際会議

『原子力資料情報室通信』第511号(2017/1/1)より

 

Japan PuPo2017 2月23、24日 国際会議

「日米原子力協定と日本のプルトニウム2017」国際会議2017(PuPo2017)は、2017年2月23、24日の2日間で、合計6つのセッションを開催します。
まず基調講演では、元米国務省国務次官補で北朝鮮核問題を担当されたロバート・ガルーチ氏(ジョージタウン大教授)と福島第一原発事故当時の原子力委員会委員長代理の鈴木達治郎・長崎大教授から、日米原子力協定と日本のプルトニウム政策の問題についてお話しいただきます。
次にセッション2では日本の再処理政策を核拡散の焦点から詳しく議論します。ここでは前行革担当相の河野太郎衆議院議員とホワイトハウス科学技術政策局主席次長(国家安全保障担当)の職務を終えたばかりのスティーブ・フェッター・メリーランド大教授、また、原子力委員会委員長代理の阿部信泰氏に個人の立場でご参加いただきます。このセッションでは外務省や経済産業省などの日本の再処理政策を説明する立場の方々もパネリストとして参加していただく予定です。
セッション3はアジア地域の話に移ります。国立台湾大教授の徐光蓉(グロリア・シュウ)氏や韓国の原子力安全委員会のキム・ヘジョン氏からは自国の原子力政策や再処理政策の現状、日本の再処理政策が地域に与える影響についてお話しいただきます。また、このセッションには米国のヘンリー・ソコロスキー氏もスピーカーとして出席されます。ソコロスキー氏は元米国防省の核不拡散政策副長官で、現在は核不拡散政策教育センターの理事長をつとめ、共和党系のシンクタンクでも活動してこられました。1月にアメリカで誕生する新しい政権が日本の再処理政策をどう見るかを考えるうえで興味深いお話が伺えるかもしれません。
2日目のセッションはまず、セッション4Aでプルトニウム利用の問題をとりあげます。当室の伴と憂慮する科学者同盟(UCS)のエドウィン・ライマンからアメリカと日本のプルトニウム政策の現状を解説し、日本が推進しているプルトニウム利用がどのような問題を引き起こすかを明らかにします。再処理のコストについてもこのセッションで分析し、誰が、どのようにこのコストを払うのかを議論する予定です。
セッション5は再処理の「地域へのインパクト」と題し、青森県で建設中の六ヶ所再処理工場に巡る議論をおこなう予定です。核燃料サイクル訴訟弁護団代表の浅石紘爾氏から青森県や六ケ所再処理工場の現状をお話しいただき、地域として再処理の他にどのような可能性があるのか、どのような将来が望ましいのかを議論します。
国際会議の最終セッションでは、PuPo2017宣言を発表します。この宣言は2018年7月の日米原子力協力協定満期にむけた様々な活動の重要な基礎的文書となるでしょう。PuPoに多くの方にご参加いただき、核燃料サイクルの問題の深刻さについての意識が高まることを強く望んでいます。ぜひご参加ください。