【原子力資料情報室声明】原子力規制委員会の見識を疑うー柏崎刈羽原発6、7号機「合格」判定
【原子力資料情報室声明】原子力規制委員会の見識を疑うー柏崎刈羽原発6、7号機「合格」判定
2017年12月28日
NPO法人原子力資料情報室
原子力規制委員会は12月27日、柏崎刈羽6、7号機は新規制基準に「合格」した、と発表した。理解に苦しむ。
福島第一原発の事故の収束の見通しがつかない現状のもとで、その過酷事故を起こした当の東京電力には、再び原発を運転する資格があるか、ハードの技術能力及びソフトのシステム能力はあるか、と問われているというのに、この判定はあるまい。
10月5日から11月3日にかけておこなわれた意見募集では、全国から870件の意見が寄せられた。原子力規制委員会は、なによりもまず、その意見を慎重に検討して、回答を公開すべきであった。
原子力規制委員会の独善は許されない。かつての原子力規制行政が失った信用を取り戻すことができるかもしれなかった絶好の機会を逃したことになる。
東京電力が発案して原子力規制委員会が高く評価する「代替循環冷却系」は、可搬式の熱交換器ユニットや大容量送水車、ガスタービン発電機、ポンプ類がすべて働き、配管や熱交換器も健全であるという前提に立つ。しかし、過酷事故の際に、それが成り立つ保証はない。前提が崩れれば、この新システムは機能できない。実に危うい。
「実際に原発が動いている現場を肌で知っている人の数が少なくなるのは、一定の恐怖感をもっている」(新潟日報、2017年11月14日付)と発言する原子力規制委員会委員長は原発の再開を目指している。実に、恐ろしい。
判定の撤回を強く求める。
以上