日本のプルトニウム貯蔵について、米議会下院外交委員会の委員長と委員3人から米国務次官への書簡

日本のプルトニウム貯蔵について、米議会下院外交委員会の委員長と委員3人から米国務次官への書簡

第115議会

米国下院 外交委員会

2018年8月22日

 

マイク・ポンペオ閣下

国務長官

 

長官殿

我々は貴職がこれまで行われてきた日本の備蓄プルトニウムの処分にむけた協力、そして当該地域におけるプルトニウム製造の拡大を防ぐための協力を継続することを奨励し、また、こうした目的のために貴職が持っている計画に関する情報の提供を依頼するため、書簡を差し上げます。貴職もご認識の通り、米国の不拡散政策の眼目は核兵器製造能力の拡散、特にウラン濃縮と、使用済み燃料を再処理しプルトニウムを得ること、を防ぐことに置かれてきました。

我々は日本やこの地域の他の国々が再処理を検討していることを、プルトニウムの民生利用が持ついかなる商業的利益をも上回る核拡散上の脅威であると憂慮しています。この事実は行政府がサバンナリバーサイトのMOX燃料製造施設の建設中断を決定した主要な要因となりました。そのため、我々は最近、米国が六ケ所再処理工場の稼働を延期するよう日本を説得したことで励まされました。平和目的であっても、日本のプルトニウム保有量の継続的拡大は、この地域の他の国々に同様の能力を得ることを勧めることを含めて、核拡散リスクを増大させています。

既存のプルトニウム保有の処分は、日本の将来の六ケ所再処理工場に関する意思決定の重要な要因となります。この共通の課題の安全で十分な解決には、日本との緊密な協力が不可欠です。そのため、我々は米国と日本が共同で、プルトニウムの再利用を必要としないプルトニウム備蓄の処分方法を開発すること、中国や韓国のプルトニウム分離を防ぐために協力することが極めて重要だと考えています。これは北朝鮮に核インフラの廃棄を説得する際の手助けとなりえます。

我々は貴職が日本とこうした課題で協力することを奨励するとともに、こうした努力に関する依頼した情報を提供いただけることをお待ちしています。この問題に関する貴職の関心に感謝いたします。

敬具

 

エドワード R. ロイス (外交委員会)委員長

エリオット L. エンゲル 筆頭理事

イレーナ・ロス-レーティネン 中東・北アフリカ小委員会委員長

ブラッド・シャーマン アジア・太平洋小委員会 筆頭理事

 

英語の書簡原本