「第6回東京電力福島第一原子力発電所における事故の分析に係る検討会」における奈良林直・北大教授の発議に対する抗議ならびに調査等の要求

東京電力福島原子力発電所事故調査委員会(国会事故調)の調査について、原子力規制委員会に設置された「東京電力福島第一原子力発電所における事故の分析に係る検討会」の第六回会合(2014年7月18日開催)において、奈良林直北大教授が行った発言について、元国会事故調ワーキンググループⅠのメンバーが、以下の要求書を発表しましたので、転載いたします。

 


 

2014年7月23日

原子力規制委員会委員長 田中俊一殿

 

 

東京電力福島第一原子力発電所における

事故の分析に係る検討会・外部専門家  奈良林直殿  

 

【写し配布】

衆議院原子力問題調査特別委員会委員長 森英介殿

参議院原子力問題特別調査委員会委員長 藤井基之殿

報道関係各社

元国会事故調ワーキンググループⅠ

共同議長 田中三彦[1]

同  石橋克彦[2]

協力調査員 小倉志郎[3]
協力調査員 伊東良徳[4]

連絡先 東京都千代田区二番町1-2 番町ハイム1105

電話 080-3021-1701(田中)

 

「第6回東京電力福島第一原子力発電所における事故の分析に係る検討会」における
奈良林直・北大教授の発議に対する抗議ならびに調査等の要求

 

昨週7月18日(金)に更田原子力規制委員出席のもとに開かれた「第6回東京電力福島第一原子力発電所における事故の分析に係る検討会」(以下、第6回検討会)で、検討会の外部専門家メンバーである奈良林直氏(北海道大学教授)は、議題2-「東京電力福島原子力発電所 事故の分析 中間報告書(案)について」の審議において、「一部国会事故調の聞き取り調査で発言を強要するようなことが行われていたと聞いている。不正にも関係するので、こういった発言の正しさ、根拠、そういったものも明らかにしてもらいたい」[5]などと、国会事故調を誹謗する発言を行い、公衆に国会事故調に対する誤解を与えるような発議をしている。

奈良林氏の発議は、国会の信託を受けて福島原発事故の調査を行った国会事故調の調査活動を、とくに事故の直接的原因の調査に当たった「国会事故調・ワーキンググループⅠ」の調査活動を著しく侮蔑し、国会事故調の報告書に記載されている調査結果を貶めるものであり、第6回検討会が報道各社ならびに一般傍聴人を前に審議され、かつその審議がYou Tubeでライブ中継されていたことを考えれば、奈良林氏の発議は到底看過できるものではない。また、この不適切な発言に注意を与えず、そのまま正式な発議として受け入れた原子力規制委員会・更田担当委員の責任も重い。本「検討会」を組織し、外部専門家を人選し、「検討会」に最終責任を有する原子力規制委員会および奈良林氏に以下を要求する。

  1. 昨年5月に設置された「検討会」がこれまで約一年間扱ってきた問題の多くは、主として、国会事故調が報告書に記載した未解明問題と関係しているが、この未解明問題の提起は国会事故調「ワーキンググループⅠ」による聞き取り調査と資料調査の結果に基づいている。そして、とくに運転員や東京電力の協力企業社員個人に対する聞き取り調査においては、被聴取者の精神的負担や緊張などに十分配慮して慎重に行っており、被聴取者に発言を強要するようなことは断じて行っていない。奈良林氏はいったい「何について」、そして「何を根拠に」、「一部国会事故調の聞き取り調査で発言を強要するようなことが行われていた」、「不正にも関係する」などと、公開検討会の場で国会事故調の調査結果を愚弄し、貶める発言をしたのか。原子力規制委員会は、これについて奈良林氏本人から(必要に応じて他の関係者からも)早急に聞き取りを行い、事実関係を明らかにし、8月1日までに結果を文書で公表されたい。

なお、以下を付記しておく。奈良林氏の発言はきわめて唐突でどういう文脈での発言なのか正確には判じかねるが、ビデオ映像の記録を見るかぎり、当該検討会において直前に議論された福島第一原発1号機原子炉建屋4階の出水事象に関する発言であると推測され、奈良林氏は国会事故調の報告書に記載されている「畳のような形でジャっときた」という目撃者証言が、「不正に強要されたものである」と主張したものと思われる。

 

  1. 調査の結果、奈良林氏の発言にはそれを正当化できる具体的根拠がなく、本人の単なる邪推または他者の根拠のない弁明や説明にもとづくものであることが判明した場合、奈良林氏の責任は重く、また氏は原子力規制委員会が求めている外部専門家としての資質を完全に欠いていると言わざるを得ない。奈良林氏にはただちに公の場で誠実に謝罪することを求める。また原子力規制委員会には、ただちに奈良林氏を「検討会」から解任することを強く求める。

 

 

 

以上



[1] 元原発メーカー技術者(福島第一原発1号機4階出水事象に関する聞き取り調査に係わった)。

[2] 神戸大学名誉教授(地震学)。

[3] 元原発メーカー技術者(福島第一原発1号機4階出水事象に関する聞き取り調査に係わった)。

[4] 弁護士(福島第一原発1号機4階出水事象に関する聞き取り調査に係わった)。

[5] ビデオ音声から聞き取れる奈良林氏のより正確な発言は「一部国会事故調の聞き取り調査にですね、発言を強要するようなことが行われていたということを聞いていますので、不正にも関係してきますので、こういった発言をですねやはり、正しさ、根拠、そういったものもですね、明らかにしていただきたいと思います。」