岩手県の市民団体:青森県へ安全協定締結中止、三陸沿岸の環境影響調査実施を申入れ

岩手県の市民団体:青森県へ安全協定締結中止、三陸沿岸の環境影響調査実施を申入れ

 岩手の市民団体「三陸の海を放射能から守る会(永田文夫世話人)」は1月25日青森県庁を訪れ、六ヶ所再処理工場のアクティブ試験のための安全協定を結ばないよう求める要望書を青森県に提出した。また同時に8720名分の署名簿も提出した。
 「三陸の海を放射能から守る会」を始めとする岩手県の市民団体は、六ヶ所再処理工場のアクティブ試験によって多数の放射能を含む廃液が六ヶ所村沖合い3キロメートルに設置された海洋放放出管から放出されると、岩手県沖合いの海が汚染され、養殖漁業や岩手県民の健康に被害が出ることを懸念している。
 昨年秋同会などは、岩手県議会に対して「アクテイブ試験操業について慎重を期すること、三陸沿岸の環境影響評価を行うことの二点を、岩手県として青森県と原燃に申し入れる」とする請願を提出し、同議会は10月3日の本会議でこの請願を全会派一致で採択している。
 永田世話人らは「岩手県民の総意を真摯(しんし)に受け止めてほしい」として岩手県民の理解が得られるまで安全協定を締結しないこと、三陸沿岸の環境影響評価の実施を強く求めたが、放出放射能の危険性を巡って青森県当局と議論が交わされた。
 
■申入れ関連情報
【三陸の海を放射能から守る岩手の会/岩手の環境/RI廃棄物】
岩手県内での市民団体の動きが詳しく紹介されています。
homepage3.nifty.com/gatayann/env.htm
【東奥日報】
www.toonippo.co.jp/kikaku/kakunen/new2006/0126_1.html
www.toonippo.co.jp/news_too/nto2006/0125/nto0125_14.asp
【デーリー東北】
www.daily-tohoku.co.jp/kakunen/news2006/kn060126a.htm

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■六ヶ所再処理工場放出放射能に関する関連情報
六ヶ所再処理工場のアクティブ試験で放出される放射能は下記のサイトに掲載されています。
【日本原燃】
『アクティブ試験計画書(使用済燃料による総合試験)』(日本原燃、平成17年12月22日)(事業申請書記載の数値=管理目標値)
www.jnfl.co.jp/press/pressj2005/pr051222-1.html 

【26 ページ:表ー12 低レベル廃液処理建屋】
・低レベル廃液処理建屋のアクティブ試験項目として液体廃棄物放出量確認試験が予定されている。これは使用済み燃料の再処理に伴って廃液に含まれる放出放射能量を測定するもので、液体廃棄物(液体廃液)には、トリチウム、ヨウ素129、ヨウ素131、その他多種多様な放射能が含まれ、判定基準(管理目標値)は別表ー1のようになっている。表の値は年間の数値で、例えばトリチウムは毎年18,000,0000,000,000,000ベクレル(18京ベクレル)もの量を海に放出すると日本原燃は言っているのである。信じられないような大量の放射能だ。放出廃液の中ではトリチウムが大きな部分を占める。

別表-1 液体廃棄物中の放射能量
測定核種判定基準(Bq/年) (事業指定申請書記載の数値)
トリチウム1.8×1016
ヨウ素1294.3×1010
ヨウ素ー131 1.7×1011
その他核種 
??α線を放出する核種3.8×108
??α線を放出しない核種2.1×1011

【32ページ:別表ー2 気体廃棄物中の放射能量】
・再処理工場の各工程から気体性の放射能は、施設内の3つある排気筒から排出される。高さ150メートルの主排気筒からは、使用済み燃料の剪断(せんだん=切断)に伴って開放されるクリプトン85、トリチウムを始め、炭素14、ヨウ素129、ヨウ素131、など雑多な放射能が一挙に放出される。クリプトン85、トリチウムは全量が垂れ流しである。他の放射能もフィルターを通すことになっているが、その除去効率、例えば99%(ヨウ素フィルター)など,実際にこの率を達成できるかどうか、実際の放出以外に確かめようがなというシステムで、技術の名に値しないものだ。

別表-2 気体廃棄物中の放射能量
測定項目 事業指定申請書記載の数値(Bq/年)
クリプトン853.3×1017
トリチウム1.9×1015
炭素145.2×1013
ヨウ素1291.1×1010
ヨウ素1311.7×1010
その他核種 
??α線を放出する核種3.3×108
??α線を放出しない核種(注1)9.4×1010
(注1)クリプトンー85以外の希ガス、ヨウ素-129、131以外のヨウ素は除く

【コメント】
・アクティブ試験によって再処理工場本体からは、初めて放射能が実際に放出されることになるが、実際の放出量がこの数値以内に収まるかどうかは、工場を運転し放射能を放出してみなければわからないのである。というよりはこれほどの量をださいないと工場の運転ができないのだ。核燃料の再処理というシステムが、工学的に見ても非常に未熟な技術である証だ。アクティブ試験は、試験というより「実験」だ。
・さらに問題がある。事業許可申請書に記載された管理目標値は法的な規制値ではないので、仮にこの数値を日本原燃が守れなくても事業許可が取り消されるようなことはない。これは、あくまで日本原燃の定めた自主的な値に過ぎない。このくらいの量に押さえたいという、文字通りの”目標”の値である。通常の運転でもこれほど膨大に放射能を排出しないと運転できないのが再処理工場だ。ひとたび事故が起これば、チェルノブイリ原発事故でも比較にならないような大惨事を招く可能性がある。

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