六ヶ所再処理工場の放出放射能に関する情報『アクティブ試験計画書』

■六ヶ所再処理工場放出放射能に関する情報
六ヶ所再処理工場のアクティブ試験で放出される放射能は下記のサイトに掲載されています。

【日本原燃】
(平成17年12月22日)『アクティブ試験計画書』
www.jnfl.co.jp/press/pressj2005/pr051222-1.html
www.jnfl.co.jp/cycle-recycle/testing/active-testing.pdf

【26 ページ:表ー12 低レベル廃液処理建屋】
・低レベル廃液処理建屋のアクティブ試験項目として液体廃棄物放出量確認試験が予定されている。これは使用済み燃料の再処理に伴って廃液に含まれる放出放射能量を測定するもので、液体廃棄物(液体廃液)には、トリチウム、ヨウ素129、ヨウ素131、その他多種多様な放射能が含まれ、判定基準(管理目標値)は別表ー1のようになっている。表の値は年間の数値で、例えばトリチウムは毎年18,000,0000,000,000,000ベクレル(18京ベクレル)もの量を海に放出すると日本原燃は言っているのである。信じられないような大量の放射能だ。放出廃液の中ではトリチウムが大きな部分を占める。

別表-1 液体廃棄物中の放射能量
測定核種 判定基準(Bq/年) (事業指定申請書記載の数値)
トリチウム 1.8×1016
ヨウ素129 4.3×1010
ヨウ素ー131 1.7×1011
その他核種  
??α線を放出する核種 3.8×108
??α線を放出しない核種 2.1×1011

【32ページ:別表ー2 気体廃棄物中の放射能量】
・再処理工場の各工程から気体性の放射能は、施設内の3つある排気筒から排出される。高さ150メートルの主排気筒からは、使用済み燃料の剪断(せんだん=切断)に伴って開放されるクリプトン85、トリチウムを始め、炭素14、ヨウ素129、ヨウ素131、など雑多な放射能が一挙に放出される。クリプトン85、トリチウムは全量が垂れ流しである。他の放射能もフィルターを通すことになっているが、その除去効率、例えば99%(ヨウ素フィルター)など,実際にこの率を達成できるかどうか、実際の放出以外に確かめようがなというシステムで、技術の名に値しないものだ。

別表-2 気体廃棄物中の放射能量
測定項目 事業指定申請書記載の数値(Bq/年)
クリプトン85 3.3×1017
トリチウム 1.9×1015
炭素14 5.2×1013
ヨウ素129 1.1×1010
ヨウ素131 1.7×1010
その他核種  
??α線を放出する核種 3.3×108
??α線を放出しない核種(注1) 9.4×1010
(注1)クリプトンー85以外の希ガス、ヨウ素-129、131以外のヨウ素は除く

【コメント】
・アクティブ試験によって再処理工場本体からは、初めて放射能が実際に放出されることになるが、実際の放出量がこの数値以内に収まるかどうかは、工場を運転し放射能を放出してみなければわからないのである。というよりはこれほどの量をださいないと工場の運転ができないのだ。核燃料の再処理というシステムが、工学的に見ても非常に未熟な技術である証だ。アクティブ試験は、試験というより「実験」だ。
・さらに問題がある。事業許可申請書に記載された管理目標値は法的な規制値ではないので、仮にこの数値を日本原燃が守れなくても事業許可が取り消されるようなことはない。そのため『アクティブ試験計画書』でも、判定基準とか、(管理目標値)、(事業指定申請書記載の数値)だとか、様々な言い方をしているが、これらはあくまで日本原燃の定めた”自主的な値に過ぎない。「このくらいの量に押さえますから許可をお願いします」という、文字通りの”目標”の値にしかすぎない。しかし本当は、通常の運転でもこれほど膨大に放射能を排出しないと運転できないのが再処理工場だ。ひとたび事故が起これば、チェルノブイリ原発事故でも比較にならないような大惨事を招く可能性がある。