NSG、インド加入先送りについてのコメント
韓国ソウルにおいて、6月23~24日にかけて原子力供給国グループ(NSG)の会合がおこなわれた。この会合の重要議題は、核不拡散条約(NPT)に非加盟のインドのNSG加盟だった。
NSGでは48の加盟国の全会一致でのみ議案が採択される。今回のインドのNSG加盟案は、少なくとも7ヵ国(中国、ブラジル、スイス、トルコ、オーストリア、アイルランド、ニュージーランド)の反対により否決された。反対理由は、インドがNPTに加盟していないことや、NPT非加盟国が加入することで、核不拡散体制が弱体化することへの懸念、また、NSG加盟を申請しているパキスタンと同時に検討するべき、といったものだ。なお、日本は、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、ロシア、カナダ、オーストラリアなどとともに賛成に回ったと報じられている。
インド加盟は否決されたものの、NSGソウル会合後に発表された声明では、NPT非加盟国のNSG加入にかんする技術的、法的、政治的問題について議論を継続することとされている。例年であれば、次回会合は来年開催されるが、報道によれば、メキシコの提案で年内にこの件で会合が持たれる可能性もある。
原子力資料情報室は、6月16日に発表した声明「インドをNSG参加国として加入させてはならない」にて述べたとおり、インドをNSGに加盟させるべきではなく、日本はインドのNSG加盟に協力するべきではないと考える。今後もこの問題について、継続的に問題提起をおこなっていく。