電離放射線による多発性骨髄腫と悪性リンパ腫が労災認定の疾患リストに例示されることが決定!

電離放射線による多発性骨髄腫と悪性リンパ腫が労災認定の疾患リストに例示されることが決定!

厚生労働省が7月10日開催した第3回「労働基準法施行規則第35条専門検討会」で、電離放射線による多発性骨髄腫および悪性リンパ腫(非ホジキンリンパ腫)が、労災認定の例示疾患リストに追加されるという方針が決まった。

労働基準法施行規則第35条別表第1の2の「第七号10」の項目に追加することが適当であると事務局から提案された。
「第七号 がん原性物質若しくはがん原性因子又はがん原性工程における疾病
 10 電離放射線にさらされる業務による白血病、皮膚がん、骨肉腫又は甲状腺がん」

詳細は、12月までにまとめられる予定の報告書の作成過程で検討される。

疾病リストは労働基準法第35条施行規則で1978年に定められ、今回30年ぶりに初めて追加されることになった。
原発労働者については、2004年1月に長尾光明さんが多発性骨髄腫で初めて労災認定され、08年10月に喜友名正さんが悪性リンパ腫が労災と認定された。
支援組織が厚労省に対し国内外の最新の研究論文などを提示し認定の合理性を主張する交渉を重ね、厚労省側も専門家を招集し、多くの疫学論文などを長期間にわたって審議した。労災認定の厚い壁を少し広げることになった。長尾さん、喜友名さんの遺族が身をもって訴えた結果だ。
これからも、多くの隠されてきた被曝労働者の被害を明らかにして、労働者の被曝低減と健康を守るための活動を拡げていきたい。

【毎日新聞】
mainichi.jp/select/seiji/news/20090711ddm003040089000c.html
【中日新聞・東京新聞】
www.chunichi.co.jp/article/national/news/CK2009071102000141.html