【原子力資料情報室声明】東海第二原発の40年超運転を認めるな!

東海第二原発の40年超運転を認めるな!

2018年11月7日

NPO法人 原子力資料情報室

 

11月7日、原子力規制委員会は東海第二原発(BWR、1100MW)の40年超運転と保安規定変更を認可した。東海第二原発は、国内で廃炉になっていない沸騰水型原発のなかでは最も古い老朽原発であり、東日本大震災で地震と津波の襲来を受けて危機に陥った被災原発だ。

営業運転40年が11月27日に迫るなか、運転期限までに間に合わせるため、新基準適合性審査のための原子炉設置変更が9月26日に認可された。同時並行で工事計画、運転期間60年への延長、保安規定変更に関する審査が特例的にすすめられ、10月18日に工事計画が認可された。そして本日、運転期間延長・保安規定変更が認可されたのである。

しかし、東海第二原発には可燃性ケーブル問題など、多くの「不合格」とするべき事実が存在している。最近では耐震審査において、原子炉圧力容器スタビライザの応力値が許容値を越えていることが明らかになった。このままでは地震時に原子炉圧力容器が水平を保てず転倒し、原子炉圧力容器に接続されていた複数の配管が破損する。このような事態になれば、大規模な冷却材喪失事故に至る。また、原子炉圧力容器の垂直が維持されなければ、制御棒の挿入も阻害され、核分裂反応を停止させる重要な機能を失う。このような問題が存在するにもかかわらず、原子力規制委員会は耐震評価を通してしまった。

運転期間延長が認可され、必要な工事が終了しても、すぐに再稼働できるわけではない。日本原電が東海村と周辺5市のあいだで結んだ新たな安全協定により、再稼働の事前了解を得ることが必要になる。10月には那珂市長が再稼働反対を表明、6月には水戸市議会で反対の意見書が採択された。さらに首都圏の複数自治体でも、再稼働や20年間稼働延長に反対する声が多数上がっている。

周辺30km圏内に96万人が居住し、東京まで約110kmの東海第二原発は、事故のリスクを考えれば絶対に再稼働してはならない。原子力規制委員会は、設置変更許可・工事計画認可・運転期間延長認可・保安規定変更認可を取り消し、東海第二原発を廃炉にすべきだ。

以上