女川原発の安全審査に関しての申し入れ・質問

2005年10月17日

経済産業大臣 中川昭一 様

原子力安全・保安院長 広瀬研吉 様

文部科学大臣 中山成彬 様

女川原発の安全審査に関しての申し入れ・質問

 ことし8月16日、女川原発が宮城県沖の地震(=プレート境界地震)に襲われ、三つの原子炉全てが自動停止しました。女川原発はおととし5月26日にも三陸南地震(=スラブ内地震)に襲われ、唯一運転中だった3号炉が自動停止しています。地震動が地震加速度検出器の設定値を越えたため原子炉が自動停止したのは、日本では女川原発のこれら2例だけです。この女川原発1~3号機の耐震安全性並びにその安全審査に関して、以下申し入れるとともにお尋ねします。

 原発震災の脅威から原発の地元住民、地震列島住民の安全を守るために、この申し入れを真摯に受け止め生かすよう求めます。

 質問については10月24日に回答してください。

求めたデータについて同日までに公開してください。

A. 申し入れ

女川原発1~3号機の耐震設計に関する安全審査のやりなおしを求めます。

 また、東北電力がこれら3機についての廃炉を含む適切な対策を講じるまで、3機の運転の再開を認めないよう求めます。

 やりなおしの安全審査にあたっては、これまでの安全審査や耐震設計審査指針に重大な誤りがあったことをまず率直に認めたうえで、原発震災の脅威から地元住民・列島住民の安全を守ることを何よりも優先するよう求めます。

 女川原発の安全審査のやりなおしを求めざるをえないのは、以下のような理由からです。 

1. 基準地震動S1,S2の規模が小さすぎた

① 「将来起こりうる最強の地震動」の過小評価が明らかになった
 東北電力は「発電用原子炉施設に関する耐震設計審査指針」に基づき、女川原発で「将来起こりうる最強の地震による基準地震動S1」(=「将来起こりうる最強地震動」)の最大加速度を250ガルとし(最大速度は20.1カイン)、経産省(通産省)や原子力安全委員会等もこのような評価を是認してきました。
「将来起こりうる最強地震動」の最大加速度を250ガルとしたのは、1981年に女川原発周辺住民が東北電力を相手に起こした女川原発建設差し止め訴訟の第1審での被告最終準備書面によれば、次のような事情からでした。
 同電力によれば、女川1号機の「過去の地震から算定された地震動の最大加速度」は「最も大きなもので184ガル」です。これは、1897年に起きたM7.4、震央距離48kmの仙台沖の地震の算定値です。同電力は、女川原発1号機の建設にあたって、さらに「地震動の強さの期待値を統計的に表した研究から算定された最大加速度」も「最も大きいもので180ガル」であることも追記した上で、「これらに十分余裕をとり」、女川原発の「設計用最強地震」(つまり「将来起こりうる最強の地震」)による解放基盤表面(地盤を掘り下げて行って現れた岩盤の表面)の模擬地震波の「最大加速度を250ガルと設定した」のでした(女川2,3号機の「将来起こりうる最強地震動」の最大加速度も同じく250ガルとされた)。
 ことし8月16日、この仙台沖の地震より沖合で同じ型の地震(プレート境界地震)が起きました。この宮城県沖の地震のマグニチュードは7.2でした。つまりこの地震のエネルギーは仙台沖の地震の2分の1程度にすぎませんでした。また、震央距離も73km(震源深さ42km、震源距離84km)と、仙台沖地震よりも約1.5倍も遠方でした。
 ですから、上のような東北電力の見方によれば、女川原発の解放基盤面表面相当の地震動(通称、はぎとり波。前面海域の海抜0より8.6m低い原発敷地内の地下岩盤で実際に観測した加速度波形をもとに、その岩盤上部の地盤の影響を取り除いて岩盤表面での地震動を試算したもの)の最大加速度は180ガルをずっと下まわって当然でした。
 ところが、東北電力の解析によると、このはぎとり波の最大加速度は284ガルにのぼりました。規模が仙台沖地震の半分程度の地震だったにもかかわらず、しかも震央が仙台沖の地震より沖合だったにもかかわらず、今回の地震による女川原発のはぎとり波の最大加速度が「十分余裕をもって」策定したはずの「将来起こりうる最大の地震動」(基準地震動S1)の最大加速度250ガルを超えてしまったのです。
 また、東北電力が求めたこのはぎとり波の応答スペクトル(設備の固有周期の違いによって揺れの強さがどのように異なるかを示したグラフ)も0.02~0.07秒の短周期側でS1を超え、0.4秒付近などでもS1を越えました。
 ※1号機の最地下階(地下2階)に設置されている保安確認用地震計が記録した地震波の最大加速度でも251.2ガルにのぼり、1号機の最地下階の建屋観測用地震計が記録した最大加速度は263ガルに達しました。
 この結果、女川原発で「将来起こりうる最強地震動」つまり「将来起こりうる最強の地震による基準地震動S1」を250ガルとしてきた東北電力や経産省(通産省)、原子力安全委員会等による評価が余りにも過小なものだったことが明らかとなりました。

② 「およそ現実的でないと考えられる眼界的な地震動」S2-Dも過小評価していた
 東北電力は耐震指針に基づき「およそ現実的でないと考えられる限界的な地震動」(「およそ現実的でないと考えられる限界的な地震による基準地震動S2」)として、2つの地震動を想定してきました。一つは、M7.6、震央距離20kmのプレート境界地震の解放基盤表面の模擬地震波の応答スペクトルを全ての周期で上回る、解放基盤表面の模擬地震波の最大加速度が325ガル(最大速度26.6カイン)の地震動S2-Dです。もう一つは、M6.5、震源距離10kmの直下地震による、解放基盤表面の模擬地震波の最大加速度が375ガル(最大速度13.5カイン)の地震動S2-Nです。
 M7.2,震央距離73km、はぎとり波の最大加速度284ガルの今回の地震はプレート境界地震。そこで、その地震動の応答スペクトルを前者のM7.6超、震央距離20km、解放基盤表面の模擬地震波の最大加速度325ガルの「およそ現実的でないと考えられる限界的な地震動」S2-Dの応答スペクトルと比べてみると、今回の地震が0.4以上もマグニチュードが少ない地震だったにもかかわらず、しかも震央距離も3倍以上も遠かったにもかかわらず、そのはぎとり波の応答スペクトルは0.035~0.07秒の広い周波帯でS2-Dを超えてしまいました。例えば、周期0.05秒のS2-Dの加速度は573ガル。これに対して今回の地震動による同周期の加速度は、300ガル以上強い888ガルにのぼりました。周期0.04秒付近でもS2-Dに並んでいます。
 東北電力も経産省(通産省)も原子力安全委員会その他も、女川原発のS2-Dの規模を過小評価していたということです。

③ 「およそ現実的でないと考えられる限界的な地震動」の最大値をも超えた
「およそ現実的でないと考えられる限界的な地震動」S2-Nの応答スペクトルは、0.2秒付近より短周期側では、S2-Dの応答スペクトルの加速度を超えています。例えば、0.05秒のS2-Dの加速度は上で見たように573ガルでしたが、そのS2-Nの加速度は673ガルです。
 今回の女川原発を襲った地震動の応答スペクトルは、周期0.04~0.06秒でこのS2-Nをも超えました。例えば、周期0.05秒では、S2-Nを200ガル以上も上回ったのです。つまり、今回女川原発を襲った地震動は、0.2秒付近より短周期側では、女川原発で想定されている「およそ現実的でないと考えられる限界的な地震動」の最大値をも一部(周期0.04~0.06秒)で超えてしまったのです。
 東北電力も経産省(通産省)も原子力安全委員会その他も「およそ現実的ではないと考えられる限界的な地震による基準地震動S2」、「およそ現実的ではないと考えられる限界的な地震動」などという言い方をしてきました。しかし、実際には、女川原発の二つの基準地震動S2は「およそ現実的ではないと考えられる限界的な地震動」などではまったくなかったのです。それどころか、その応答スペクトルの短周期側を、プレート境界地震としてはM7.2と比較的規模の小さな、しかも震央距離が73kmと比較的遠方の地震の地震動の応答スペクトルがあっさりと超えてしまうような、そんな程度の設計用地震動でしかなかったのです。
 原発は剛構造のため重要な機器の固有周期が0.03秒台や0.04秒台のものが多いので、実際の地震動が、今回のように0.01秒以下の短周期側で設計用地震動を簡単に超える事態は深刻な問題だと言わざるをえません。

2. 女川原発の耐震安全性に赤信号が灯った

政府の地震調査委員会は8月17日臨時会を開き、前日の16日に宮城県沖で起きた地震について「想定をしている宮城県沖地震ではない」と結論づけたといいます。今回の地震によって、今後30年以内に99%の確率で発生するとされている宮城県沖地震が早まる可能性があるともいいます。
 想定されている宮城県沖地震のマグニチュードは7.5前後。M7.2、震央距離73kmのプレート境界地震によって今回のような事態となったのですから、アスペリティもはるかに女川原発に近い想定宮城県沖地震が実際に起きたら、女川原発の建物・構造物や機器・配管系はもたない可能性があります。まして、宮城県沖地震と沖合のプレート境界地震とが連動した場合(M8)、その可能性はさらに高まるのではないでしょうか。
 例えば、Aクラスの建物・構造物や機器・配管系(炉心シュラウド、炉心支持板、非常用炉心冷却系、中央制御室など)は、基準地震動S1に耐えられるように設計されてはいても、Asクラスの施設(原子炉圧力容器、格納容器、制御棒、制御棒駆動装置など)のように基準地震動S2にまで耐えられるように設計されてはいません。女川原発が宮城県沖地震に襲われたとき、CクラスやBクラスの施設だけでなくAクラスの施設も壊れる可能性は少なくないのではないでしょうか。
 宮城県沖地震発生が早まる恐れがあるといわれる中、現状の耐震設計のまま女川原発の運転再開を許していい訳はありません。

3. 女川原発がM7.5やM8前後のスラブ内大地震に襲われる可能性もある

東北電力は、近くでスラブ内大地震が発生することを無視して女川原発を建設しました。ところが、おととし5月26日、女川原発の北の気仙沼大島近くでM7.1のスラブ内地震が起きました。三陸南地震です。震央までの距離は約50km、震源深さは約72km、震源距離は約90kmでした。地震動が地震加速度検出器の設定値(女川原発は水平200ガル以下、鉛直100ガル以下)を超えて原子炉が自動停止したのは、日本ではこのときが初めてでした。女川原発の最地下階の保安確認用地震計が記録した最大加速度は225ガルでした(解放基盤表面相当の地震動の最大加速度は未公表)。
 このとき、牡鹿(現石巻市内。震源距離92km)で1112ガル、大船渡市(同76km)で1106ガル、釜石(同89km)で1039ガル、石巻市泉町(同89km)で943ガルの最大加速度が観測されています。
 女川原発の下方のスラブ内(陸のプレートの下に潜り込んで行っている太平洋プレート内。その上面は女川原発の下約70kmか)で、M7.5やM8前後のスラブ内地震が発生する可能性も否定することはできないのではないでしょうか。もし、女川原発の下で、M7.5やM8前後のスラブ内地震が発生したら、女川原発で原発震災が起きる可能性もあります。住民の安全・安心を考えれば、そもそも、宮城県沖地震やスラブ内大地震に襲われる原発震災の起きる可能性のある場所に原発を建設したり、そのような場所で原発の運転を続けたりするのを、政府や自治体が許していい訳がありません。

4. 女川原発がM6.5を上回る直下地震に襲われる可能性も否定できないのでは

 「活断層がなくても直下のM7級大地震が起こる。このことは、一昨年の文部省測地審議会の報告書にも明記されていて、地震科学の常識といってよい。『(耐震設計審査)指針』は、活断層がなければ、M6.5より大きい地震は起こらないという考えに立っているが、これは致命的な誤りである」(「大地震直撃地に集中する原発」『週間金曜日』1999年8月27日号所収)
 神戸大学都市安全研究センター教授の石橋克彦氏がこう述べてから6年がたちました。この間、2000年10月の鳥取西部地震(M7.3)やことし3月の福岡県西方沖地震(M7.0)など、活断層が確認されていない地域でM7を超える地震が相次いで起きています。女川原発周辺でM7級の直下地震が起きる可能性も否定できないのではないでしょうか。

B. 耐震安全に関するデータの公開について

1. 宮城県沖の地震と三陸南地震のデータ公開について

保安院がこれまでに東北電力から入手した宮城県沖地震時と三陸南地震時の女川原発の耐震安全性に関する全てのデータを、ただちに公開するよう求めます。

地震動が地震加速度検出器の設定値を越えて原子炉が自動停止したのは、日本では女川原発のこの2例だけ。しかも、女川原発を襲ったこれらの二つの地震は、型の異なるものでもありました。列島住民や研究者が原発の耐震安全性に眼を向けその内余を検討するにあたって、これらのデータは何よりも貴重なものの一つです。現在、原子力安全委員会で原発の耐震設計審査指針の見直しが進められています。この見直しにあたっても、これらのデータを基にした原発の耐震安全性の検討が欠かせません。

2. 東北電力から未入手(?)のデータに関して

次のデータを東北電力から未入手の場合は、ただちに報告・情報提供を求めてください。

① ことし8月16日の宮城県沖の地震時の女川原発のはぎとり波の速度波形と速度最大値。 

② 上のはぎとり波の応答スペクトルがS2-NやS2-D、S1-Dを超えている部分や並んでいる部分についての詳細データ(各周期の正確な加速度値、速度値など)。

③ この今回の地震時の女川原発敷地内の地下の4つの地震計のうちO.P.(女川原発の工事用ポイント。女川原発の前面海域の海抜0)+17.0m、O.P.-42.8m、O.P.-128.4mの3つの地震計で観測した加速度波形とそれらのはぎとり波の加速度波形(加速度最大値も。以下同じ)、並びにそれらの速度波形(速度最大値も。以下同じ)。

④ おととし5月26日の三陸南地震時の女川原発のO.P.-8.6mの観測記録(解放基盤表面相当の地震動を算定する際に基となるもの)とそのはぎとり波の加速度波形と速度波形。並びに応答スペクトル。
 また、O.P.+17m、O.P.-42.8m、O.P.-128.4mの地震計で観測した加速度波形(速度波形も)とそのはぎとり波の加速度波形(速度波形も)。

⑤ おととし5月26日のこの地震時の女川原発1~3号機の原子炉建屋各階の建屋観測用地震計による加速度波形(速度波形も)とそれらの応答スペクトル。

⑥ 女川原発1号機の中央制御室の今年8月16日の地震時とおととし5月26日の地震時の加速度波形(速度波形も)とそれらの応答スペクトル。

⑦ 女川原発1~3号機のタービン建屋の今年8月16日の地震時とおととし5月26日の地震時の加速度波形(速度波形も)とそれらの応答スペクトル

3. 想定宮城県沖地震の解析データの公開について

東北電力は、文部科学省の地震調査研究推進本部(以下、推本と略)が2003年6月以降発表してきた想定宮城県沖地震の断層モデル(の地震動波形)を基に、女川原発の耐震安全性に関する解析を「その都度、その都度やってきていた」といいます。保安院がこれまでに入手しているこの解析データ(解放基盤表面の加速度波形と加速度最大値、速度波形と速度最大値と、応答スペクトル)もすべてただちに公開してください。未入手の場合は、ただちに東北電力に報告・情報提供するよう求め、入手次第公開してください。

C.質問

1. 今回の宮城県沖の地震によって、一部周期において女川原発の設計用限界地震の地震動の応答スペクトルを超える加速度がとらえられたことが話題となっています。
 しかし、以下に見るように、まず検討すべきは、設計用最強地震でも設計用限界地震でもなく、設計用最強地震の選定にあたって考慮された地震との比較です。そのために肝心なのは、設計用最強地震の選定によって考慮された地震のうち、応答スペクトルの形状が既往最大である1897年の仙台沖の地震(M7.4、震央距離48km)について検討することです。
 東北電力は、1897年仙台沖地震(M7.4、震央距離48km)について、1号機設計当時、解放基盤表面での地震動は184ガルと推定しました。また、2、3号機設計時には、同じ仙台沖地震について7.9カインと推定したことが、設置許可申請書に明記されています。
 一方、東北電力は、今回の宮城県沖地震の観測データから得られた解放基盤表面相当の地震動を284ガルと推定しました。
 今回の地震の規模はM7.2ですから、1897年仙台沖地震の2分の1の地震であり、震央距離も約1.5倍であるにもかかわらず、その地震時の解放基盤表面相当の地震動の最大加速度184ガルの1.5倍強もの地震動が解放基盤表面に入力したちおう解析結果であって、「過小評価」などとは言えないくらい大きな誤謬です。
 設計時に考慮する地震により開放基盤表面にもたらされる地震動は、金井式により最大速度振幅を求め、大崎の方法によって作成された応答スペクトルから定めたとしていることから、金井式もしくは大崎の方法に決定的な誤りがあると疑わざるを得ません。
 金井式や大崎の方法に問題のあることは、すでに兵庫県南部地震直後から強く指摘されてきましたが、規制局はその誤りを認めようとしてきませんでした。女川原発を襲った今回の宮城県沖の地震の結果明らかになった上の事実を踏まえ、今度こそ誤りを認めるべきではないでしょうか。
 また、女川の事実を踏まえ、女川はもとより全国各地の計算式を変更すべきと考えますが、いかがですか。

2. 今回の宮城県沖の地震時に女川原発で観測された地震動は、原子力安全委員会の「発電用原子炉施設に関する耐震設計審査指針」の定める耐震設計に用いる敷地の解放基盤表面において考慮すべき基準地震動S1、S2の想定を、少なくとも地震動の最大振幅および地震動の周波数特性においていずれも超えていたことから、上記指針に基づき安全審査が行なわれた国内の全ての原発について、その想定地震動S1、S2を見直し、耐震設計に関する安全審査を全面的にやり直すべきではないでしょうか。

3. 9月2日、原子力安全・保安院は松永和夫院長名で東北電力の高橋宏明社長あてに、「今回(8月16日)の地震で観測された観測波の岩盤表面の応答スペクトルが周期によっては基準地震動の応答スペクトルを超えることとなった要因」などを「分析・評価」し報告するよう、文書で求めました。このことに関して、保安院の川原統括安全審査官は原子力安全委員会の耐震指針検討分科会(第26回)で「保安院といたしましても、…今回の要因につきまして詳しく分析を行なった上…」と述べていますが、具体的には誰がどのような方法で「詳しい分析」を行なうのですか。分析の詳しい内容を速やかに公開するべきと考えますが、どのような予定ですか。

4. 今年3月23日に推本(文科省)の「全国を概観した地震動の予測地図」(J-SHIS)が公開されました。この予測地図は、日本列島のすべての地点について、地震が発生した場合に想定される地震動を割り出したもので、すでにわかっている98の活断層と繰り返し発生する海溝型地震について、それぞれ規模と位置を想定し、さらにそれらすべての地震を考慮に入れたときにそれぞれの地点で予測される最大の地震動を、確率的な表記で示しています。
 今回の宮城県沖の地震は、これらの予測を検証するための貴重なてがかりをもたらしました。とうぜん、観測網ネットワークを駆使して観測データを入手し、それらを解析していることと思います。このことに関して以下お尋ねします。
①とくに工学的基盤面における観測データはどのようなものだったのですか
②また、それらを地震動予測地図において予測した結果と比較してどのような評価をしているのですか。
③推本が採用してきた地震動予測手法(詳細法、簡便法)の評価結果について、修正の必要性などの検討は出されていませんか。
④この予測結果は地震動を、見慣れた最大加速度振幅ではなく最大速度振幅で表しています。なぜ速度で表現したのですか。
⑤そのために従来のデータと比較しにくいきらいがあります。最大加速度振幅であらわした場合は、どのようになるのでしょうか。
⑥この予測値は、地表での速度と地下の工学的基盤面という仮想断面での速度との2種類が記載されています。女川原発の敷地の解放基盤表面は横波速度毎秒1500m。これに対して、推本の予測地図では横波速度毎秒400mが工学的基盤面とされていて、各原発で想定されている基準地震動と推本の予測値を直接比較することができません。原子力施設の解放基盤表面への入力に返還するにはどうすればよいのですか。

5. 今回の宮城県沖の地震についての保安院の8月22日付け第49回原子力安全委員会資料第1号にある震央位置(北緯38.2度、東経142.3度)は、同日付け国土地理院災害対策本部事務局の「宮城県沖を震源とする地震に対する対応の」(第7報)〔最終版〕の震央位置(北緯38.1度、東経142.4度)と食い違っていますが、どうしてでしょうか。それぞれ、いまは震央位置の緯度と経度を何度何分何秒で認識しているのでしょうか。

  原子力発電を考える石巻市民の会

  みやぎ脱原発・風の会

  柏崎刈羽原発に反対する地元三団体

  浜岡原発を考える静岡ネットワーク

  島根原発増設反対運動

  原子力資料情報室

  ノーニュークス・アジアフォーラム・ジャパン

  日本消費者連盟

  ふぇみん婦人民主クラブ

  福島老朽原発を考える会

  脱原発ネットワーク・九州

  九電消費者株主の会

  北九州から脱原発社会を考える会

  「脱原発をめざす新潟市民フォーラム」

  美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会

  原発震災を防ぐ全国署名連絡会

  脱原発福島ネットワーク

  核のごみキャンペーン・中部

  反原発・かごしまネット

  たんぽぽとりで

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