中国電力の信じられない安全意識と品質管理 もはや原発を運転する資格なし 上関増設はもってのほか

中国電力の信じられない安全意識と品質管理
もはや原発を運転する資格なし
上関増設はもってのほか

 本日(3月30日)、中国電力は島根1号炉の定期検査に123件もの点検漏れがあることが分かり、31日10時より原子炉を手動で停止して漏れた部分の点検を行うことを発表した。
 発表によれば、発端となった高圧注水系はECCSを構成する系で、この「蒸気外側隔離弁の駆動用電動機」が07年の定期検査時に点検したことになったまま3年ものあいだ運転されてきた。明らかに不正といえる。さらに、点検不正は1号炉で74件、2号炉で49件、合計123件に達するという。
 点検計画は、どの機器を、どの協力会社が、いつ点検をするか、全体のスケジュールの中に組み込まれた具体的かつ詳細な計画だ。中には「弁の分解点検」も行ったことになっていたという。現場に入れば明瞭に分かるであろう点検が実際には行われていなかった。これだけの点検不正は工程上からもわかるはずで、中国電力の管理能力の欠如というほかない。
 不正の判明はもう少し以前だと考えられるが、本日報道発表し、運転停止は31日10時からに遅らせるのは、同社の安全意識の欠如と言わざるを得ない。
 中国電力は、推定原因として部所間の連絡不備で済まそうとしているが、これで納得が得られると考える問題意識の欠如に不安を覚える。定期検査期間を短縮して早期に運転を再開させるという経済性優先の考えが背景にあるのであろう。事態の背景まで踏み込んで原因究明を行うべきだ。
 杜撰管理をそのままにするような姿勢の中国電力に原発を運転する資格はないとの誹りを免れないだろう。いわんや上関原発計画の強行などもってのほかというほかない。

(伴英幸)