六ヶ所MOX燃料加工工場立地協定締結に抗議する!
六ヶ所MOX燃料加工工場立地協定締結に抗議する!
2005年4月19日
原子力資料情報室
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六ヶ所MOX燃料加工工場のための立地協力基本協定が、青森県、六ケ所村、日本原燃、電気事業連合会によって締結された。私たち原子力資料情報室は、青森県に新たな原子力施設をもたらすこの協定締結に抗議し、その撤回を求める。
六ヶ所MOX燃料加工工場は、再処理工場敷地内に計画され、再処理工場で分離されるプルトニウムを使ってMOX燃料を製造することになっている。しかしそのMOX燃料の使途は、完全に白紙である。1995年から計画されていたMOX燃料の利用計画(プルサーマル)は、すでに10年を経過した今日でもいまだにどこでも実施できていない。また東京電力は一連の検査データねつ造・トラブル隠しによって、関西電力は5名の死者を出した美浜原発3号機配管破断事故によって、中部電力も相次ぐ事故・トラブルによって、原発立地地域の信頼を完全に失いプルサーマルを実施できる見込みはない。英仏にある約35トンのプルサーマル計画が事実上頓挫している中、電気事業連合会は六ヶ所再処理工場のアクティブ試験前までにあらたなMOX燃料利用計画を公表するとしているが、それが紙の上の計画でしかありえないことは自明であろう。
国民的不信は、プルサーマル計画や核燃料サイクル計画、原子力発電も含めた原子力利用全体へ向けられている。そして青森県でも約83%もの県民が原子力施設の安全性に不安を感じている現状は重大である。原子力施設を建設し計画を強行するばかりで、住民に説明し理解を得ることを後回しにしてきた実態を物語る。青森県内でも県議会、県民の間で十分な議論が行なわれてはいない。新原子力長期計画は議論の途上であり、核燃料サイクル計画について今後も議論の絶えないことは確実である。原子力の在り方、核燃料サイクルの是非も含めて国民的議論が求められている。MOX燃料加工工場の立地協定への今回の青森県の対応はあまりにも拙速であり、青森県の今後の可能性を狭めるとともに、原子力政策をさらに硬直させる要因となる。私たち原子力資料情報室は、MOX加工工場立地協定の撤回をあらためて強く求める。