青森県内の反核団体、共同行動を呼びかける

青森県内の反核団体、共同行動を呼びかける
ー六ヶ所再処理工場のアクティブ試験中止、県民投票実施を求めるー

■六ヶ所再処理工場のアクティブ試験(使用済み燃料を使った試運転)は、2月下旬の開始が予定されている。これに対し青森県内の再処理工場に反対する核燃料廃棄物搬入阻止実行委員会(平野良一、鹿内博共同代表)、核燃料サイクル施設立地反対連絡会議(代表委員・諏訪益一県議ら五人)、県反核実行委員会(渡辺英彦委員長)の三団体は、青森県内の一般市民、市民団体、各種団体、労組、農漁業者団体などに、試験を止めるための共同行動を呼びかける活動を開始した。三団体は最初の取り組みとして、「六ヶ所再処理工場アクティブ試験(再処理試運転)の中止を求める共同アピール(案)(下記参照)」を公開し、県内の個人、グループ、団体の賛同をつのっている。

■三団体は、それぞれ核燃サイクル問題に長年取り組んできた。昨年秋から核燃料廃棄物搬入阻止実行委員会(平野良一、鹿内博共同代表)が中心となり、政党・党派の違いを超えた共同行動を模索してきた。六ヶ所再処理工場のアクティブ試験の中止という統一のテーマに絞り、「サイクルに不安を感じている幅広い県民」に参加してもらうことをめざしている。

■共同アピール(案)は、再処理工場のアクティブ試験は実質的な運転開始であり、さまざまな放射能の放出によって、県民の健康や基幹産業である農林水産業に大きな打撃を与える可能性のあることを憂慮し、青森県に対し試運転中止や稼働の是非を問う県民投票の実施を強く求めている。
1月末までにアピール文を正式決に定し、三村知事のほか、日本原燃や国などにも提出する予定だ。

■賛同の申し込みは下記宛て、氏名、または団体名、連絡先を明記してください。
平野良一さん(FAX 0172 – 62 – 2023 )

■関連情報
【デーリー東北】
www.daily-tohoku.co.jp/news/2006/01/13/new06011304.htm
【東奥日報】
www.toonippo.co.jp/kikaku/kakunen/new2006/0113_1.html

*******************************************
■【六ヶ所再処理工場アクティブ試験(再処理試運転)の中止を求める共同アピール(案)】■

 私たちは、再処理工場の運転開始によって青森県が今までの歴史にない状況に置かれることを深く憂慮しています。

 県民の明確な同意を得ないままに青森県はこれまでも全国原発の運転継続のために使用済み核燃料はじめ放射性廃棄物(いわゆる核のゴミ)を引き受けるという核燃料サイクル政策への受動的役割を果たしてきましたが、再処理施設の稼働を認めることは青森県が核のゴミの発生源になるだけでなく全国の原発立地地域にプルサーマル実施容認を強制する共犯者の役割を果たすという極めて能動的な立場に変わることになります。

 そこで、県民の皆さんに青森県の将来を見つめ六ヶ所再処理工場問題について是非今一度考えていただきたいと考え、このアピールを公表いたします。

 現在六ヶ所村では、日本原燃の建設した再処理工場で運転試験が進められています。

そして、2月中にも実際にプルトニウムを取り出すため、使用済み核燃料を使ったアクティブ試験(再処理の試運転)を開始しようとしています。もはやこれは、再処理工場の実質的な運転開始を意味します。

 再処理工場で扱われる原発の使用済み核燃料にはプルトニウムやウランの他に、原爆の「死の灰」と同じ放射能が沢山含まれています。工場で使用済み核燃料を使い始めれば、国の定めた基準以内とはいわれても、さまざまな放射能が工場周辺の空や六ヶ所沖合の海に放・流出されます。これらの放射能は数十年、数百年、それ以上の歳月にわたって六ヶ所村周辺地域はおろか隣県三陸沿岸漁業にも影響を及ぼす等広い地域を汚染し続けます。たとえ事故がなくてもこの放射能による環境汚染が、青森県民の健康や基幹産業である農林水産業に大きな打撃を与える可能性があります。

 原爆など核兵器の主原料となるプルトニウムという危険な物質を扱う再処理工場では、放射能の漏えい事故、臨界事故など、様々な事故の危険性もあります。これからの青森県では、事故が起こったらという心配と隣合わせの状態で日々の暮らしを続けなければなりません。また工場の事故に備え、県民の安全対策のため多額の経費も必要となります。

 また、再処理工場の操業や使用済み燃料の中間貯蔵などを容認する「核燃マネー」に依存する体質の継続によって、「青森県は核のゴミ捨て場」「下北半島は原子力半島」というイメージが全国的にも国際的にも定着させられ、やがて全ての放射性廃棄物の最終処分場にならざるを得なくなり、青森県の未来と子供たちの将来を脅かすことになるでしょう。

 六ヶ所再処理工場はプルトニウムを取り出す工場です。しかしプルトニウムの使い道が不透明な状態です。国や電力会社はプルトニウムを原発で利用するプルサーマルを行うとしていますが、現在ヨーロッパの再処理工場で取り出されたプルトニウムの多くが使い道のない状態のままです。さらに東京電力や関西電力の原発がある福島県や新潟県、そして福井県の知事たちは、プルサーマルの実施を認めないと発言しています。国の核燃料サイクル政策は完全に破綻しているのです。今、六ヶ所再処理工場を急いで動かす必要はありません。さらに、世界からも日本の過剰ともいえるプルトニウム保有に危惧の念が寄せられております。

 プルサーマルを行わなくても、電力エネルギーの供給に支障はありません。それより、必要のないプルトニウムのために六ヶ所工場を稼働させることによって、約十一兆円という国民的負担も発生します。この負担は、すべて未来の子供たちに背負わされることになるのです。核燃料サイクル政策も不変のものではありません。わが国のエネルギー政策を真剣に考えるならば、この膨大な費用を省エネ技術や再生可能エネルギーの開発に振り向けることによってエネルギーの供給構造を変えてゆくという選択肢もあります。

 私たちは、青森県知事に対して六ヶ所再処理工場アクティブ試験(再処理試運転)の中止をするよう要請いたします。さらに、県民の疑問点が解消されるよう今までに増した丁寧な説明会を行うとともに県民投票の実施を強く求めます。

以上

賛同団体名(個人賛同も含む)を列記

連絡先 (呼びかけ三団体)
    青森県核燃料サイクル施設立地反対連絡会議
    青森県反核実行委員会
    核燃料廃棄物搬入阻止実行委員会

*********************************************