【原子力資料情報室声明】時代錯誤の「原発蘇生アクションプラン」は撤回を
2022年11月30日
NPO法人原子力資料情報室
11月28日に開かれた総合資源エネルギー調査会原子力小委員会に、事務局の経済産業省資源エネルギー庁から「今後の原子力政策の方向性と実現に向けたアクションプラン(案)」が提示された。
再稼働への総力結集、既設炉の最大限活用、次世代革新炉の開発・建設、バックエンドプロセス加速化、サプライチェーンの維持・強化、国際的な共通課題の解決への貢献と、悪名高きエネルギー基本計画からも逸脱した、あきれるほどの原発政策大転換である。「安全性が最優先」の決まり文句が寒々しい。
再稼働への総力結集には、原子力規制委員会も加わるのか。どんな総力を結集したら再稼働が進むというのだろう。既設炉の最大限活用では、運転期間の取扱いに関する仕組みの整備という。あからさまな上限撤廃を隠して、あたかも現行ルールを基本にと見せかけようとする姑息さ。そもそも40年超運転はあくまで例外とする現行法の精神を何の根拠もなく蹂躙するものだ。世界中見渡しても60年運転の実績などないというのに。
次世代革新炉なるものについても「まずは廃止決定炉の建て替えを対象に」とのごまかし。リプレースで新増設ではないとの言い訳が通ると本気で考えているのか。核燃料サイクルの推進では、性懲りもなく「プルサーマルを推進する自治体向けの交付金制度の創設」とは。なんべん「創設」を繰り返すつもりなのか。六ヶ所再処理工場の竣工すら国の指導と産業大の支援にすがろうとする中、使用済MOX燃料の再処理技術を2030年代後半に確立だって? なんの冗談なのか。
使用済み燃料対策にせよ何にせよ、しょせん掛け声倒れとなることは目に見えている。
このような愚かしい時代錯誤のアクションプランをGX会議に持ち込むことなく、直ちに撤
回するよう強く求める。