NPA講座「福島からみたポストコロナ時代Part9-システムチェンジのための脱原発・気候正義講座③」
当室の高野聡がコーディネーターを務める新時代ピースアカデミー(NPA)の「福島からみたポストコロナ時代」のパート9「システムチェンジのための脱原発・気候正義講座③」が、3月17日から6回シリーズで始まります。開催日は3/17、3/30、4/13、4/27、5/11、5/25です。時間は3月17日のみ、金曜の午後7時~午後9時、それ以外は木曜の午後7時~午後9時です。ズームを使用したオンライン講座です。高野が独自にセレクションした講師陣による講座となります。ぜひご応募ください。
〇申し込み
・コース受講:9000円
apply.npa-asia.net/items/70946418
・単発受講:2000円
apply.npa-asia.net/categories/2813805
〇受講に関する問い合わせ
当室ではなく、新時代ピースアカデミー(info@npa-asia.net)の方までお願いします。
〇コース概要
脱原発と気候危機克服は並行して進めるべきです。なぜならこの二つは、単なるエネルギー問題だけではなく、既存の権力の支配関係、価値観、システム全般をめぐる変革の闘いだからです。「システム転チェンジ」が世界で叫ばれる理由もそこにあります。この講座では脱原発運動と気候正義運動を深く学び、現行システムを根こそぎ変えるための抵抗への想像力を広げることを目指します。日韓の脱原発・気候正義連帯のために、韓国の社会運動家を招いた講演も行います。
〇開催方法
オンライン開催・定員50名
〇プログラム内容
◆第1回 3.11福島原発事故を覚えていますか?- 事故から12年、避難者の声に耳を澄ます
開催日:2023年3月17日(金)19:00-21:00
講師:宇野朗子(福島原発事故区域外避難者)
概要:2023年3月11日で福島原発事故から12年がたった。岸田政権が原発推進のドライブをかける中、私たちはもう一度原発事故の被害の大きさと被災者の切り捨てが進む現状をしっかり認識すべきではないか。区域外避難者の宇野朗子さんから、事故直後の状況と京都に避難するまでの過程を伺うとともに、避難者の被害と尊厳の回復を求める活動の意義を学ぶ。なぜ脱原発が必要なのか、どのように脱原発社会をともに作り上げて行けばよいのか改めて考えたい。
◆第2回 柏崎刈羽原発が再稼働してはだめな理由 – 3つの「検証委員会」の議論を読み解く
開催日:2023年3月30日(木)19:00-21:00
講師:佐々木寛(新潟国際情報大学国際学部教授)
概要:岸田政権は去年、原発推進強化を打ち出した。その一つが今年夏以降のさらなる原発の再稼働だ。そのうち、最も早く再稼働がされる恐れがあるのが新潟県の柏崎刈羽原発6,7号機だ。新潟県は2003年から自治体独自の「技術委員会」を設置し、2017年からは避難委員会と健康生活委員会を合わせ「3つの検証委員会」を運営している。避難委員会委員でもある新潟国際大学の佐々木教授をお招きし、現在までの3つの検証委員会の評価をお聞きするとともに、原発再稼働の問題点を究明する。
◆第3回 見捨てられた「黒い雨」被ばく者 – 被ばく隠ぺいの歴史を紐解く
開催日:2023年4月13日(木)19:00-21:00
講師:小山美砂(ジャーナリスト)
概要:原爆投下直後に発生した、放射性物質を含むいわゆる黒い雨を浴びた被ばく者が健康被害を訴えた「黒い雨」訴訟は、現行の勝訴で終わった。しかし国の無責任な態度と被ばくの過小評価・隠蔽により判決まで長い歳月が流れた。「黒い雨」訴訟を追跡したジャーナリストの小山美砂さんからこの裁判の問題点について解説を伺いながら、広島・長崎の被ばく者、さらにはグローバルヒバクシャや福島原発事故被ばく者の救済の道を一緒に考えたい。
◆第4回 ドイツの核ゴミ公論化はいかにして進んでいるのか?- 熟議実践の現場を知る
開催日:2023年4月27日(木)19:00-21:00
講師:岡村りら(専修大学准教授)
概要:ドイツでも以前は無責任な核ごみ管理を行っていた。アッセにある中低レベル核廃棄術処分では大量の地下水が流れ込み、崩壊の危険性も指摘された。ゴアレーベンでは高レベル核廃棄物処分場をめぐり、激しい抗議運動が起こった。しかし福島原発事故以後、利害関係者や様々な社会構成団体、一般市民が参加する時間をかけた公論形成が進められている。ドイツの核ゴミ問題に詳しい岡村りら准教授からその実態を聞き、日本に与える示唆点を検証する。
◆第5回 破綻している再処理計画そしてプルトニウム問題 – 核兵器廃絶に向け日本がまずすべきこと
開催日:2023年5月11日(木)19:00-21:00
講師:松久保肇(原子力資料情報室)
概要:青森県・六ヶ所村の再処理工場は去年12月に26度目の稼働延期がなされ、完成目標は2024年度上期に定められた。事実上破綻している核燃料サイクルに日本政府が固執する一方、核兵器の原料ともなるプルトニウムを約46トン保有している。このこと自体が東アジアの安全保障の脅威となっている事実にもっと目を向けるべきではないか。原子力資料情報室の松久保事務局長が使用済み核燃料再処理の問題点を解説しながら、核廃絶に向け日本政府がまずすべきことを提言する。
◆第6回 どのようにして3万人がソウル気候正義マーチに集まったのか? – 共同執行委員長に聞く
開催日:2023年5月25日(木)19:00-21:00
講師:ハン・ジェガク( 9月気候正義行動組織委員会共同執行委員長)
概要:2022年9月24日、ソウルで3万人以上が参加する気候正義マーチが開催された。韓国で盛り上がる気候正義運動の広がりを象徴するものだった。このマーチは環境団体だけでなく、人権・フェミニズム・障がい者・性的マイノリティ・労働者・農民・若者など様々な分野の団体が1年間、議論を重ね、綿密な準備をしてきた。このイベントの組織チームとして活躍したハン・ジェガクさんから、成功を収めた秘訣と方法を学ぶ。