米オコニー1号炉・交換後の新蒸気発生器細管に多数の減肉
米オコニー1号炉・交換後の新蒸気発生器細管に多数の減肉
『原子力資料情報室通信』376号短信
米・南カロライナ州にあるオコニー原発1号炉(加圧水型炉、91.1万kW)の蒸気発生器細管3200本に減肉傾向が見つかったため、オコニー1号を運転するデューク・エナジー社と原発メーカーであるバブコック&ウィルコックス・カナダ社が、少なくとも11月まで原因調査を続ける予定であり、場合によってはさらに3、4ヶ月のびる可能性があることを、9月8日付けのニュークレオニクス・ウィーク誌が報じた。
オコニー1号炉では2004年1月に蒸気発生器(全2基)の交換を終えたばかりである。新蒸気発生器はバブコック社によって製造、据え付けがなされた。オコニー1号炉の蒸気発生器は直管型で、米国では最初の直管型の交換例であった。もとの設計はウエスチングハウス社によるが、応力腐食割れによる細管の損傷が多数起きていた。その後、バブコック社によって、オコニー2号炉と3号炉の蒸気発生器の交換も実施された。
運転再開からわずか14ヶ月後、今年春の燃料交換停止中に行なわれた点検によって細管の減肉が見つかった。減肉が起きていたのは、束ねられた細管の外側で、高温の領域に集中していた。そのうち特に施栓する基準である肉厚の28%を超える減肉が生じていたのは各15631本ある細管のうち、A蒸気発生器で30本、B蒸気発生器で18本あり、これらは栓をして使えなくする措置がとられた。
原因については、流れによって引き起こされたと推定されているが、細管の振動や細管にかかる運転中の負荷も関係があるとみられ、まだ特定されるにいたっていない。今秋予定されているオコニー2号炉の点検中に細管の減肉が見つかれば、細管を1?2本抜き取って金属材料学的な試験を行ない原因調査を進める、とデューク社は説明している。