2016年度 茶葉の放射能測定結果

『原子力資料情報室通信』第515号(2017/5/1)より

 

2016年度 茶葉の放射能測定結果

2016年産の流通品の茶葉に含まれる放射性セシウムを測定したので報告する。
測定した茶葉の産地は、埼玉(2件)、茨城(1件)、静岡(1件)の3県で、測定結果を表に示した。今年度の測定では、静岡産の茶葉が昨年度に続いて不検出となった。埼玉産の茶葉は、埼玉Aでセシウム137が6.75 Bq/kg、埼玉Bでセシウム137が9.82 Bq/kg、セシウム134が0.94 Bq/kg、茨城産の茶葉は、セシウム137が5.15 Bq/kgだった。原発事故から5年以上が経過し、半減期が2年のセシウム134は不検出になるケースが多い。
当室では、2012年から流通茶葉の放射性セシウム濃度を継続測定しており(注)、産地別にプロットしたものを図に示した。2015年の測定では埼玉Bが前年の倍の値(セシウム137が29.8 Bq/kg)となった。2016年度の茨城産も前年(セシウム137が3.8 Bq/kg)よりわずかに高い値となった。4サンプルの傾向としては、セシウム134、137ともに上下しながら全体として減少傾向にあることが確認された。

 

 

 

茶の検査について

国の指針によると、茶の放射性セシウムの検査は、2012年3月31日まで茶葉(荒茶・製茶)の状態で検査を行い、基準は他の食品と同じように500Bq/kgを適用していたが、2012年4月1日以降は、お茶は実際に飲む(食べる)状態で検査することとし、
(1)飲用のお茶については、実際に茶を飲む状態で検査を行い、基準値は飲用水と同じ10Bq/kg
(2)抹茶や茶葉をそのまま食べるものは、茶葉や粉末の状態で検査を行い、基準は一般食品と同じ100Bq/kgと定められた(2012年、農林水産省)。
茶の検査は、一番茶、二番茶等、茶期ごとに実施され、飲用に供する状態で検査を実施する。測定は、荒茶又は製茶10g以上を30倍量の重量の熱水(90℃)で60秒間浸出した浸出液を用いて行う(2014年改正、原子力災害対策本部)。
本誌482号で報告した通り、当室での測定によれば、茶葉(乾燥状態)を抽出して飲用する状態(液体)にすると、重量あたりのセシウム濃度は約2%に減少する。そのため今回の測定のように茶葉の状態での測定なら検出可能なセシウム濃度も、抽出液では検出限界以下(不検出)となる場合がほとんどとなる。
(片岡遼平)